限定承認
法との闘いはもうひとつありました。 それは損害賠償請求という作業。 当初、人身事故なんだから、それなりに立派な肩書きがあるんだから、結構な金額が取れるだろうと勝手に想像していました。 私の心のなかには漠然と「潤沢な資金の元、安穏とした生活を送…
横浜地方裁判所。 着いた時はお昼で、午後の業務開始を待って、競売の申請窓口を訪ねました。 まず、家を競売にかける為にはどうすれば良いのか、と尋ねました。 すると窓口の人は「奥さんが来たんですか?弁護士じゃないんですか?」と言います。 私が財産…
何もしないでままひと月が経っていましたから、もう、大変です。 自分が何をしなければならないのか、結局、ネットで調べる位しか手のない私。 裁判所に電話して担当書記官さんに尋ねても「裁判所ではアドバイスも指示もしません」の一点張り。 私は法に触れ…
裁判所に申述をして、受理の通知が来たのは10月の終わりだったと思います。 11月の第二週の政府公報に他の方々の公報とともに、限定承認の公告は掲出されました。内容は「この度死亡したヤツの財産相続は限定承認になったので、債権を持つ者は2ヶ月以内に申…
ある日、ヤツのお兄さんから電話がかかって来ました。ヤツよりひと回り年上のお兄さんは戦中生まれで長男意識が強く、ワンマンな団塊の世代。私からすると舅以外の何もにでもない、という印象で怖くて近づけない存在でした。(嫁に行った時にはお父さんは既…
限定承認、って何でしょう? 遺産相続の三つの方法のうちの一つなんですが、知らなくて当たり前です。全国で一年間に1000例あるかないか、の相続方法ですから。死んだ人間の数だけ「相続」は発生するわけですから、この数字がいかに少ないか、お分かりになる…
事情は複雑です。ヤツは友人たちとこの会社を立ち上げました。当初社長に据えた男は能力はあったにもかかわらず酷い喘息もちで、突然連絡不能になってしまうリスキーな人でした。仲間たちでその彼をなんとかするために作った会社でした。 高い家柄に生まれ、…
仕事を休んでもいられませんので、事務所にも行きました。 といっても、社員は私一人ですし、事務所にいるのは取締役のM氏だけ。M氏には事業継続をする能力はありませんでしたから、会社はたたむしかないだろうと思っていました。 事務所に行くと、M氏から会…